歴史の森は、約6,600万年前~現代までの間に生息した、大阪の代表的な樹林を時代別に再現したエリアで、「古第三紀/新第三紀植物群」「明石植物群」「氷期・間氷期植物群」「二次林」「照葉樹林」で構成されています。
古第三紀/新第三紀植物群
恐竜が絶滅(白亜紀末期)した次の時代「第三紀」(約6,600万年前~258万年前)に栄えた植物群で、小池を中心としたエリアには、奇妙な気根を出すラクウショウ、生きている化石といわれるメタセコイア、世界で最も背の高くなる樹木の一つとして有名なセンペルセコイア、現在の日本には自生していませんが、この時代にはあったことが、出土した化石からわかっているフウやユリノキ等の姿を見ることができます。
明石植物群
アケボノゾウ(アカシゾウ)が生息し、トゲをもつ植物が多かった時代(約200万年前)に見られた植物群で、二次林の北側~西側のエリアでは、ハマナツメ、ナワシログミ、サイカチを見ることができます。
氷期・間氷期植物群
寒冷な氷期と比較的温暖な間氷期とが繰り返された第四紀氷河時代(約200万年前~1万年前)に見られた植物群で、植物園の最北に位置するエリアには、「氷期」は温帯や亜熱帯の針葉樹(アカマツ、クロマツ、ヒノキ、ツガ)などを、「間氷期」はオガタマノキやイスノキ、ヤマモモなどの常緑広葉樹を見ることができます。
二次林
二次林は何らかの理由で失われた森が、伐採木からの萌芽、土中に残った種子などから芽吹いた樹木が生長して形成された、現代の森を表しています。
芝生広場の東側に位置する当園の二次林ではクヌギやコナラ、エノキ等の落葉樹を見ることができます。
この森は、極相林への遷移の途中の段階で、二次林のまま維持するためには、人の手を入れて、下刈り、枝打ち、間伐などを行っていく必要があります。
そのため、二次林を「長居の里山」として位置づけ、大阪市内にある稀有な自然を、体験し学ぶ場としつつ保全を行う、参加型の維持管理を行うよう計画しています。
照葉樹林
関西では、二次林が遷移していってできる極相林は、照葉樹林になります。
照葉樹とは、常緑広葉樹の中でも、葉が分厚くて、光沢があり、葉の大きさが20~50cm2前後の木のことをいいます。
照葉樹林には、ツバキやサザンカが含まれるので、ツバキ園と照葉樹林が同じエリアに混在しています。
ここでは、幹肌が特徴的なカゴノキや、シリブカガシなどの珍しい木が見られます。