
歴史の森は、約6,600万年前~現在までの間を地質や気候等で区切って、「古第三紀/新第三紀」「氷期」「間氷期」「明石型植物群」「二次林」「照葉樹林」の6つのエリアで構成した森です。約6,600万年前~現在までは、大阪で活躍した著名な植物学者である三木茂博士が主に研究対象としていた時代(第三紀~第四紀)です。歴史の森のうち「古第三紀/新第三紀」「氷期」「間氷期」「明石型植物群」は、自然史博物館とも協力し、当時生育した植物や過去の大阪に生育した植物の中から、現在の大阪の気候でも生育できる近縁の植物などを選んで植栽しており、歴史のロマンを感じられるエリアとなっています。
※近縁の植物とは、進化の過程で共通祖先を持ち、共通祖先までの世代数が近く、分類やDNAなどの特徴が近い植物のことをいいます。
たとえば、氷期の植物のエリアにはアカマツが植栽されていますが、氷期に存在したアカマツの祖先は絶滅しています。この祖先に極めて近い種で、現在の大阪の気候に合う植物としてアカマツが植栽されています。

古第三紀/新第三紀の植物

恐竜(鳥類以外)絶滅後、哺乳類や被子植物が多様化した古第三紀(約6600万年前~2300万年前)と新第三紀(約2300万年前~260万年前)は、現在に続く植物相の基礎が形成された時代です。
このエリアでは、生きた化石として有名なメタセコイア、巨大樹として知られるセコイア、気根が奇妙な姿を見せるラクウショウなどの樹木が小池の周囲7500㎡に広がっています。これらの樹木の他、フウやユリノキ等も現在の日本には自生していませんが、この時代の日本には生育していたことが、化石の発見からわかっています。

明石型植物群

三木茂博士はメタセコイア属を命名した植物学者で、大阪層群産の明石型植物群についての研究もしていました。明石型植物群は、氷河時代のまだそれほど寒冷化していない時期の植物群で、針葉樹や冷温帯性植物の中に暖温帯性植物が少々混在しています。この時代はアケボノゾウ(絶滅種)が生息していたことでも知られています。このエリアでは、明石型植物群にも含まれるハマナツメやサイカチ、ナワシログミなどのトゲのある植物を植栽しています。
※現在、明石型植物群はメタセコイア植物群に含まれると考えられています。

氷期・間氷期の植物

約46億年の長きにわたる地球の歴史の中で、約 260万年前〜現在までを新生代第四紀と呼び、その中でも最新の約100万年間は、寒冷な時期<氷期>と温暖な時期<間氷期>が繰り返し訪れました。最後の氷期は約1万年前に終わり、現在は間氷期にあたります。
大阪周辺では、氷期には温帯や亜寒帯の針葉樹(アカマツ、クロマツ、ヒノキ、ツガ等)などが、約1万年前以前の間氷期には常緑広葉樹(ヤマモモ、イスノキ、ウバメガシ等)などが見られました。

二次林

二次林は何らかの理由で失われた森が、伐採木からの萌芽、土中に残った種子などから芽吹いた樹木が生長して形成された、現代の森を表しています。 芝生広場の東側に位置する当園の二次林ではクヌギやコナラ、エノキ等の落葉樹を見ることができます。
この森は、極相林への遷移の途中の段階で、二次林のまま維持するためには、人の手を入れて、下刈り、枝打ち、間伐などを行っていく必要があります。
そのため、二次林の東半分を「長居の里山」として位置づけ、大阪市内にある稀有な自然を、体験し学ぶ場としつつ保全を行う参加型の維持管理を行うため「里山ボランティア」を募集して、2023年度から活動を開始しました。

照葉樹林

関西では、二次林が遷移していってできる極相林は、照葉樹林になります。
照葉樹とは、常緑広葉樹の中でも、葉が分厚くて、光沢があり、葉の大きさが20~50cm前後の木のことをいいます。
照葉樹林には、ツバキやサザンカが含まれるので、ツバキ園と
照葉樹林が同じエリアに混在しています。
ここでは、幹肌が特徴的なカゴノキや、シリブカガシなどの珍しい木が見られます。

